模型製作工房 AdamantiumFactoryのブログ

模型製作代行を行っておりますAdamantiumFactoryのブログです。ヤフオクに完成品の出品などもおこなっております。製作した作品のことや、これから製作するモノ、模型について色々と記事を書いていきますのでよろしくお願いします。

「フレズヴェルク Bikini Armor Ver.」ヤフオク出品中と、マスキングリキッドの使い方につきまして

現在ヤフーオークションに出品中の「フレームアームズ・ガール フレズヴェルク Bikini Armor Ver.」ですが、本日終了予定となっておりますので、よろしくお願いいたします。

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さて、今回製作したフレズヴェルクですが、パーツが細かい上に複雑な塗り分け箇所が多いキットでした。

 

塗り分けを行うためにマスキングを多用しましたが、曲面の多いパーツ構成だったため、普段メインで使っているマスキングテープだとどうしてもやりづらいというより難しい箇所が多かったため、マスキングゾルを多用しました。

 

マスキングゾルというのは液状のマスキング剤のことで、使ったことがある方だと分かって頂けると思うのですが、使い勝手があまりよくありません。
基本的な使用方法としては、マスク箇所に塗付して換装後にデザインナイフ等で不要部分をカットして使うって感じなんですが、カットしようとしたら必要箇所から剥がれ落ちたり、分厚く乗ってしまってカットする境界線が見えなくなったりとか、こう、イメージした通りに使えない印象の強いツールではないかと思います。

 

マスキングゾル系を販売している各社も新製品をボチボチ投入して使いやすいマテリアルを作ろうとしている感があるのですが、決定版と言えるようなアイテムって中々出ていなかった感じです。

そんな中、ハセガワさんが発売した「マスキングリキッドNext」というアイテムがあるのですが、従来のモノと比べてカット性が良いなど、使い勝手が良いということで以前から利用していたのですが、より使いやすくなるコツというか使用法が少し分かってきたので、実例も含めて公表したいと思います。

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まずはマスキングリキッドを万年皿などに適量を出します。

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商品に添付しているハケを使って移し入れるといいかと思います。

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続いて、皿に出したマスキングリキッドを水で希釈します。希釈の基準は結構適当なんですが、水とリキッドの配分が大体1:1くらいになるといいかと思います。

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上の写真と比べると少し色が薄くなっているかな? という程度の変化ですが、原液のままだと粘度が高めなのが、随分と緩和されます(感覚的な話になっちゃいますが、エナメル塗料より少し濃い感じです)。水を入れたあとはダマにならないようしっかりと攪拌して下さい。

水で薄めることで流動性が良くなり、原液よりも薄く塗れるようになります。原液のままだと乾燥するまでマスキングリキッドがタレたり流れたりしやすいのですが、それが緩和されます。また、薄く塗ることで乾燥時間も早くなります(食器乾燥器を流用した、モデラーさん愛用な塗装ブースに入れれば10~15分ほどで乾燥します)。

 

希釈後のマスキングリキッドはキット付属のハケではなく、筆で塗るとさらに塗りやすくなります(マスキングリキッドが水溶性なので、使用後の筆は水洗いでOKです。少し時間を置いて乾燥してしまった時は筆洗い用のクリーニング液を使って下さい)。

一例ということでフレズヴェルクのふくらはぎパーツです。グレー部分の塗り分けにマスキングリキッドを使用しました。全てマスキングリキッドで処理すると大変なので、大まかな部位は先にマスキングテープを使います。マスキングテープを貼り付けた箇所が、塗装後にマスキングリキッドを剥がすきっかけになります。

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筆を使って丁寧に塗っていきます。マスキングテープ部分に乗るように塗ると、塗料のはみ出しのトラブルも防げますし、後で剥がしやすくなります。また、希釈したことで普通の塗料のような感覚で扱えるため、はみ出さずに塗るのも楽で、結果として換装後にカッターを入れる手間が省けます(はみ出した場合は乾燥前にティッシュ等で拭き取ることもできます。はみ出しが大きい場合は換装後に剥がしてリペイントがオススメです)。

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少し分かり辛いですが、光沢が付いている箇所がマスキングリキッドが乗っている部分です。乾燥したらこんな感じで光沢が出るので、マスキングしたい箇所に乗っているかどうかの判断は光沢を見れば見分けがつくと思います。
マスキングリキッドが乗っている塗面は、見ての通り相当薄いです。正直コレで本当に塗装をマスク出来るの? と不安になった方は、乾燥後に同一箇所に重ね塗りするといいかもしれません。自分も大体1回はおまじない気分で重ね塗りしています。

 

最後は塗装後に塗料が乾燥したタイミングでベリベリ剥がしていって、はみ出しが無ければ作業完了です。塗装の際は通常の箇所を吹く時よりも細吹き、エア圧もやや低めを意識することがマスキング後の塗装のコツです。

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塗装後のマスキングリキッドを剥がしている一例ですが、見ての通り凄く薄いです。サランラップくらいの薄さでしょうか。コレでしっかり塗装をマスク出来ているのが凄いです。

 

今回のマスキングリキッドNextを使ったコツというかポイントは、原液のまま使用せず、水で希釈することです。先にも書いた通り、原液のままでも(個人的に他に利用したマスキングゾル系の商品よりは)それなりに使いやすい商品なのですが、希釈することで、

 

・サラサラになって塗りやすくなる(付属のハケではなく筆を使うことでの相乗効果も)
・乾燥が早くなり、それによってタレやはみ出しにくくなる(流石に全くタレない……とまではいきませんが)
・コントロールがしやすくなることではみ出しにくくなり、カッティングの手間とリスクが回避できる

 

と、全体的な使い勝手が向上します。塗装においてマスキングの作業って慣れない内は失敗が伴いやすいし色々とリスキーな部分が多いので、多分あまり好きな方はいらっしゃらないかと思いますが、どうしてもやらなきゃならない時もあるかと思いますので、そういった際の一助になれば幸いです。

 

あ、あと、最後になりますが、いきなり本番のマスキングを行うのは怖い場合は、プラ板などを利用して実験を行ってからやるようにして下さい。特に水で希釈したマスキングリキッドは本当にうすーく乗っかるので、実効性を見てからでないと不安に感じるかもしれませんので……。